大腸内視鏡検査とは
大腸がんや大腸ポリープは、定期的な内視鏡検査を行っていれば早期に発見でき、内視鏡での治療が可能な病気です。つまり、大腸がんは予防できる「がん(癌)」のひとつであると言えます。
現在、大腸がんは女性ではがん死亡原因の第1位、男性では第3位となっています。当院では従来に比べ痛みの少ない、安心できる大腸内視鏡検査を行っております。
「大腸内視鏡は痛くて、つらい、こわい」と思っている方に、ぜひ一度当院の内視鏡を受けていただき、ここで検査をしてよかったと、安心して帰っていただきたいと思っております。
大腸内視鏡検査を定期的にきちんと受けることが、大腸がんの早期発見・早期治療にはとても大切です。
検査の流れ
大腸内視鏡検査は腸内をスコープで直接観察する検査ですので、下剤により腸の中をきれいにする必要があります。
検査時間は通常15~30分程度ですが、腸の長さや状態により個人差があります。
大腸内視鏡検査の流れは次の通りです。
動画でも検査の流れをご覧いただけます。
モビプレップ服用の場合
マグロコールP服用の場合
- 1検査予約
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大腸内視鏡検査をご希望の場合は、事前に外来を受診していただきます。
●医師による診察ののち予約
●服用中のお薬の確認
(お薬手帳をお持ちの方は持参ください)
- 2検査前日
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食事は消化が良く大腸に残りにくい検査食を朝、昼、夕と摂取していただきます。水分制限はありませんが、アルコールは禁止です。
21時に下剤を服用していただきます。
- 3検査当日
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●朝飲んでいるお薬(血圧・心臓・喘息・がん・てんかん)はいつも通り服用してください。
●糖尿病のお薬、抗凝固薬、抗血栓薬は原則禁止です。医師の指示に従ってください。
●朝は禁食ですがお水、お茶、スポーツドリンクは摂取可能です。
●検査当日は便を出すために約2000mlの洗浄液をお飲み頂きます。
●当日は注射で眠くなりますので、車・自転車等の運転はお控えください。
※大腸検査の詳しい流れについては、下記の動画で紹介しています。
https://www.eapharma.co.jp/patient/products/moviprep/howto/mov001.html ●ご来院の際に診察券を出し、受付をしてください。
排便状態の確認をします。
(最終排便の性状を確認し、検査が正しく行える状態かを判断します。5~10回の排便により、便の性状が透明で黄色の水様になれば大丈夫です。)
- 4検査
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●こちらでご用意した検査着にお着換えいただきます。また貴金属類は外してください。
●ストレッチャーに横になり、鎮静剤・鎮痛剤を注射してリラックスした状態で検査を受けていただきます。
●検査実施
(所要時間10~30分)
- 5検査後
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●検査終了後は1時間程度休んでいただきます。その後はご帰宅いただき、後日ご来院の際に病理結果を含めた検査結果のご説明を行いますが、当日の結果説明をご希望の場合は、検査後に医師より結果のご説明をいたします。
●検査後の車や自転車の運転はお控えください。
大腸内視鏡検査の意義
米国との比較による考察
がんの大きなリスク要因である高齢化の要素を除いた年齢調整死亡率で見てみると食の欧米化などに伴って増加傾向であった大腸がん死亡が、がん対策や医療の進歩に伴って1995年あたりから減少傾向に転じていることがわかります。しかしがん全体の中で見ると、2015年の死亡率は男性の3位、女性の1位となっており、男女とも大腸がんががん死亡の大きな部分を占めていることがわかります。
また、男女を併せた直近のデータによると大腸がんは全がんの中で死亡数2位(2019年)、罹患数1位(2015年)となっており、がん対策の最も重要な疾患と言っても過言ではありません。
日本人より高脂質で高カロリーの食事をしているアメリカ人の大腸がんがなぜ減っているのでしょうか?理由としては日本に比べて検診の受検率が高いことが挙げられると思います。また最近アメリカでは保険制度を改正するなどして大腸のスクリーニング検査がとても受けやすくなった結果、大腸内視鏡(大腸カメラ)による大腸がん検診が普及してきており、大腸内視鏡による検診は2000年には19%であったのが2010年には55%と大幅に増加しています。このような検診システムの違いが、大腸がんの減少に繋がっていると推測されます。日本の大腸がん検診で行われている便潜血検査も有意義な検査ですが、大腸がんの早期発見が主な目的です。
大腸がんは腺腫が変化して発生すると考えられていますが、大腸内視鏡検査ではそうした大腸がんの原因となりうるポリープを発見し、その場で切除することが可能です。つまり、大腸がんは予防できる病気であると考えられます。
大腸内視鏡検査の受検率の向上は、大腸がんの罹患率、死亡率の減少につながるものと期待されます。